時代や土地に根付く日本刀の生産に着眼してみますと、その作風や特徴からいくつかの系統に振り分けることができるようです。「五ケ伝」などと呼ばれる日本刀の数々は、古刀期につくられたであろう日本刀の数々をその作風から区分したもののようです。「美濃」「備前」「相州」「大和」「山城」は、刀剣がつくられた時代や地域別にその系統が分類されております。日本刀のもつ特異性としては、その「美」が語られることが多いようですが、刀剣はそもそも武器として相手を威嚇し場合によっては殺傷するような目的をもった道具であるにもかかわらず、日本刀の作り手となる刀工たちや使い手となる武士たちは、何をもって日本刀に美をまたらしたのでしょうか。