日本刀の鑑賞マナー

日本刀を鑑賞する際には、刀を鞘から抜いて行います。雑な扱いをしてしまっては、当然ながら刀を傷つけてしまいますし、触り方を間違えても刀を汚してしまいます。どのように鞘から抜いて鑑賞していけばいいのか、手順をしっかりと確認しましょう。刀を抜くときには、傷めずに刀身を抜くことを心がけなくてはなりません。まず、刀身を鞘から抜くときには、刃を上にします。右手で柄、左手で鞘を持って、なるべく静かに鯉口を切りましょう。鞘を抜くときは、鋒のところで一旦止めて、注意をしながらそっと抜きます。雑な扱いをして、鋒の部分を傷つけないようにしましょう。刀身を収めるときにも、刃を上にしながら、はじめに鯉口の部分に鋒の先端を乗せ、鞘の方を水平に動かします。刀身、鞘の反りに気をつけながら、滑らせるようにゆっくりと収めることがポイントです。そもそもの鑑賞の注意点としては、刀身に素手で触れないということがあります。皮脂は錆の原因になるために、必ず刀身に袱紗(ふくさ)を宛がうなどをしておきましょう。古い刀であれば茎部分に触れることも可能ですが、まず手袋をするのがマナーです。また、くしゃみやせきをすることも考えられますので、必ずマスクを着用しておきましょう。昔は、懐紙をくわえて刀身を見るというルールもあったようです。刀は温度差にも弱いため、移動があって気温が変わったときにも慎重に扱いましょう。結露の原因になります。他にも、座って鑑賞する、周りにぶつからない場所で鑑賞するなど、そもそも日本刀が鑑賞できる環境であるかどうかも初めに確認しておきましょう。日本刀は高価なものですし、歴史的に価値あるものでもあります。少しでも迷った場合には、鑑賞を止めておきましょう。